有馬記念が終わって思うこと
2005年12月26日一着のハーツクライは去年のダービー2着馬。
キングカメハメハが故障で引退して大きな空白ができた一年前の
世代からようやく生まれたグランプリホース。
この秋の充実ぶりは素晴らしく、また有馬記念のレースぶりも
勝者にふさわしいものだった。
この場にいなかった女王スイープトウショウと共に来年もG?戦線を引っ張っていくだろう。
三着のリンカーンはまたしてもG?に手が届かなかった。
思えばクラシックを沸かせた同世代の二冠馬ネオユニヴァース、菊花賞馬ザッツザプレンティ、サクラプレジデントはすでにターフを去り、そして今回の有馬記念を最後にゼンノロブロイがその
現役生活を終える。ライバルが次々にいなくなる中、彼は来年もG?という最高の栄誉を手にするために戦い続けるのだろう。
四着に入線したコスモバルク。
いつになくすんなり折り合い直線でもしぶとく脚を伸ばした。
その姿は去年の粘り強い姿を思い起こさせるものであり
来年に希望をつないだと言える。(予断は許さないが)
八着のゼンノロブロイ、十二着のタップダンスシチー。
長い間日本のG?戦線を支え続けた両馬はこの日を最後にターフを
去り種牡馬生活に入る。
ゼンノロブロイは去年のG?三連勝に加えて今年は海外遠征を行い
海外G?勝利にあと少しのところまで迫った。
勝ちきれない同馬に批判が集まることもあったが、
改めて成績欄を見直してみるとやはり並の馬ではなかったのでは
ないだろうか。
タップダンスシチーはG?勝ちは2003ジャパンカップと2004宝塚記念、二つのG?を制した。
特に2004宝塚記念は一番人気での勝利であり、周囲のマークもあるなか勝ちきったレースでありタップにとってもっとも価値ある勝利であったと思う。
レース後の佐藤哲三騎手の本当に嬉しそうな姿が今でも目に焼きついている。
また最後まで勝利を手にすることは叶わなかったが
今年も含めて有馬記念に4年連続で出走したことは驚きである。
同馬の息の長さに改めて敬意を払いたい。
最後に二着に敗れたディープインパクトについて。
今年一年の競馬界はディープインパクトの年だと言い切っても
過言ではないぐらいの過熱ぶりだった。
それだけディープインパクトの走りはすごかった。
その‘飛ぶような’走りを見た人々は誰しもがその走りに目を
奪われた、惹きつけられた。(かくいう私もその一人)
彼はレースのたびにその走りを披露し、
その後に様々なオマケがついて回った。
それは周囲の期待であったり勝利という結果であったり
実に様々なものだった。
だがいつからだろう。
ファンもマスコミもJRAも彼の走りを見なくなった。
正確には走りそのものよりもそのあとについてくるオマケに
心奪われていった。
‘無敗の三冠馬’‘英雄’‘海外遠征’‘史上最強馬’
いつしかキャッチコピーは一人歩きし、私達はディープインパクトの姿を見失った。
思い思いにディープインパクトの周りに壁を作り自分達で手の届かない所まで押しやった。
‘無敗’の三冠馬という私達が押し付けた価値観のために
休むべき夏場に休めず、本来なら負けても良い前哨戦に
ある程度仕上げて出走せざるを得なかった。
それでも彼は走った。
ほとんどの人が幸せな結末だけを欲しがる中で。
走って走って走って走った。
もう誰もその走りに目を向けていないのに。
その行き着いた先が昨日のあの姿である。
デビュー以来最低の馬体重、みるからに体調が悪そうなパドック
そして飛べなかった走り。
皆の期待を背負って走り続けたディープインパクトは最後の最後
に力尽きた。
今にして思うのだ。
無敗であること、三冠馬であることは確かに価値がある
だが私が好きになったのは‘無敗の三冠馬’や‘英雄’などではない、私はあの素晴らしい走りを見せてくれる馬を
好きになったのではなかったのだろうかと。
それに比べたらつけられたキャッチコピーなどどうでも良い。
クソ喰らえだ。
今後ディープインパクトの周りが静かになるかというと
残念ながらそうはならないだろう。
世間やマスコミは‘挫折から這い上がるヒーロー’という図式が
大好きだからだ。
きっと復帰戦には
「英雄復活」だの「最強を証明」だの
無責任なキャッチコピーが盛大に踊るだろう。
だからせめて私達競馬ファンだけでも今度こそ
その過熱振りに背を向けて一頭の馬として
ディープインパクト自身を、その走りを見てあげなければならないと思う。
新しいグランプリホースは生まれ
旧王者達は新世代にバトンを渡してターフを去った。
そしてディープインパクトは無敗という呪縛から開放され競走馬としてのスタートラインにやっと立つことができた。
断言してもいい。
今年の有馬記念は間違いなくハッピーエンドだった。
キングカメハメハが故障で引退して大きな空白ができた一年前の
世代からようやく生まれたグランプリホース。
この秋の充実ぶりは素晴らしく、また有馬記念のレースぶりも
勝者にふさわしいものだった。
この場にいなかった女王スイープトウショウと共に来年もG?戦線を引っ張っていくだろう。
三着のリンカーンはまたしてもG?に手が届かなかった。
思えばクラシックを沸かせた同世代の二冠馬ネオユニヴァース、菊花賞馬ザッツザプレンティ、サクラプレジデントはすでにターフを去り、そして今回の有馬記念を最後にゼンノロブロイがその
現役生活を終える。ライバルが次々にいなくなる中、彼は来年もG?という最高の栄誉を手にするために戦い続けるのだろう。
四着に入線したコスモバルク。
いつになくすんなり折り合い直線でもしぶとく脚を伸ばした。
その姿は去年の粘り強い姿を思い起こさせるものであり
来年に希望をつないだと言える。(予断は許さないが)
八着のゼンノロブロイ、十二着のタップダンスシチー。
長い間日本のG?戦線を支え続けた両馬はこの日を最後にターフを
去り種牡馬生活に入る。
ゼンノロブロイは去年のG?三連勝に加えて今年は海外遠征を行い
海外G?勝利にあと少しのところまで迫った。
勝ちきれない同馬に批判が集まることもあったが、
改めて成績欄を見直してみるとやはり並の馬ではなかったのでは
ないだろうか。
タップダンスシチーはG?勝ちは2003ジャパンカップと2004宝塚記念、二つのG?を制した。
特に2004宝塚記念は一番人気での勝利であり、周囲のマークもあるなか勝ちきったレースでありタップにとってもっとも価値ある勝利であったと思う。
レース後の佐藤哲三騎手の本当に嬉しそうな姿が今でも目に焼きついている。
また最後まで勝利を手にすることは叶わなかったが
今年も含めて有馬記念に4年連続で出走したことは驚きである。
同馬の息の長さに改めて敬意を払いたい。
最後に二着に敗れたディープインパクトについて。
今年一年の競馬界はディープインパクトの年だと言い切っても
過言ではないぐらいの過熱ぶりだった。
それだけディープインパクトの走りはすごかった。
その‘飛ぶような’走りを見た人々は誰しもがその走りに目を
奪われた、惹きつけられた。(かくいう私もその一人)
彼はレースのたびにその走りを披露し、
その後に様々なオマケがついて回った。
それは周囲の期待であったり勝利という結果であったり
実に様々なものだった。
だがいつからだろう。
ファンもマスコミもJRAも彼の走りを見なくなった。
正確には走りそのものよりもそのあとについてくるオマケに
心奪われていった。
‘無敗の三冠馬’‘英雄’‘海外遠征’‘史上最強馬’
いつしかキャッチコピーは一人歩きし、私達はディープインパクトの姿を見失った。
思い思いにディープインパクトの周りに壁を作り自分達で手の届かない所まで押しやった。
‘無敗’の三冠馬という私達が押し付けた価値観のために
休むべき夏場に休めず、本来なら負けても良い前哨戦に
ある程度仕上げて出走せざるを得なかった。
それでも彼は走った。
ほとんどの人が幸せな結末だけを欲しがる中で。
走って走って走って走った。
もう誰もその走りに目を向けていないのに。
その行き着いた先が昨日のあの姿である。
デビュー以来最低の馬体重、みるからに体調が悪そうなパドック
そして飛べなかった走り。
皆の期待を背負って走り続けたディープインパクトは最後の最後
に力尽きた。
今にして思うのだ。
無敗であること、三冠馬であることは確かに価値がある
だが私が好きになったのは‘無敗の三冠馬’や‘英雄’などではない、私はあの素晴らしい走りを見せてくれる馬を
好きになったのではなかったのだろうかと。
それに比べたらつけられたキャッチコピーなどどうでも良い。
クソ喰らえだ。
今後ディープインパクトの周りが静かになるかというと
残念ながらそうはならないだろう。
世間やマスコミは‘挫折から這い上がるヒーロー’という図式が
大好きだからだ。
きっと復帰戦には
「英雄復活」だの「最強を証明」だの
無責任なキャッチコピーが盛大に踊るだろう。
だからせめて私達競馬ファンだけでも今度こそ
その過熱振りに背を向けて一頭の馬として
ディープインパクト自身を、その走りを見てあげなければならないと思う。
新しいグランプリホースは生まれ
旧王者達は新世代にバトンを渡してターフを去った。
そしてディープインパクトは無敗という呪縛から開放され競走馬としてのスタートラインにやっと立つことができた。
断言してもいい。
今年の有馬記念は間違いなくハッピーエンドだった。
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