ゆかり車

2005年6月30日
それは高麗川で作業が終わった早朝のことでした。
行きに車で送ってくれた人が朝から別の場所で仕事があるらしく
帰りの足が確保できない状況に。

僕とK先輩(競馬大負け)が‘こりゃ帰りは電車かぁ’
とへこんでいたら工事責任者の瀬川さん(仮名)が
「途中までなら送ってやるよ」
と心底ありがたい申し出。

何度もお礼を言いながら車に乗り込む僕とK先輩。
今思うと、このとき第六感が働いていれば・・・

僕らが車に乗り込んだ後すぐに高麗川を出発。
配置は僕が助手席に乗り込み、後部座席にもう一人の作業員、
若手の田口さんとK先輩。

しばらくは快適なドライブを楽しんでいました。
スピードメーターが100キロをたまに記録しているのを見て
ちょっとスピードが出すぎかな?
とは思いましたが。

事件が起こったのは高麗川を出てすぐのこと。
半分寝ていた僕はぼーっとしながら、目の前の赤信号を
見つめていました。
それをものすごいスピードで通過していく僕らの車。

‘赤信号っ!?’

はっとして後ろを振り返ると、どっからどう見ても赤信号。
見ているときにようやく赤から青に変わったことからも
信号無視したことだけは疑いようがない。

慌てて横を見るとそこにあったのは
これ以上ないくらい眠そうな瀬川さんの顔。

DBA「瀬川さん、もしかして眠いんですか?」
瀬川「眠くねえよう(超眠そう)」

まずい。
いくらなんでもこれはヤバ過ぎる。

助けを求めて後ろを振り返ってみると
そこには顔面蒼白で体をがたがた震わせる田口さんの姿が。
たぶん僕も今こんな顔してるんだろうなぁ。

隣のK先輩を見ると僕と田口さんの様子から事態を察知したのか

        ‘俺に任せろ’

とばかりに力強くうなずく。
やべぇ今のあんた勇者に見えるよ。
先週宝塚記念で10万すったやつと同一人物とは思えないよ!

「瀬川さん」

あとはなんとか瀬川さんを説得して運転を変わってもらうのみ。
がんばれ!K先輩。

「冷房強いみたいなんで弱くしてあげてもらえますか?」

それ違うぅぅぅぅ

瀬川さんも‘お、そりゃ悪かったな’という様子でスイッチ
いじってないで前見て前!

後ろを見ると
これでいいんだろ、とばかりにいい感じの笑顔を僕と田口さん
に向けてくるK先輩。

殴って、この馬鹿勇者いますぐ殴って

その後もカーブが右に左に続く道をディトナUSAばりの
スーパーテクニックを駆使して走行したり
閑静な住宅街を制限速度30キロ以上オーバーしたりしながら
なんとか目的地に到着。

最後の力を振り絞って営業スマイルを浮かべて

「今日は送っていただいてありがとうございました!!」

とお礼を言って降りる。
後部座席で死にそうな顔をしている田口さんを見ながら

‘こいつの運転する車には二度と乗らねぇ’
と心に堅く誓った。

K先輩「いやあ、ずいぶん早く帰ってこれたねぇ〜(嬉しそう)」

そりゃ早いさ。

コメント

DBA

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索